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円安と翻訳、メリットとデメリット---アジア翻訳ジャーナル6

円安でも翻訳の円建て価格はあまり上げられない


アベノミクス 安倍晋三首相のアベノミクスによる急激な円安は、タイを拠点に日本の翻訳会社の皆様と仕事をしております当社にとって、死活問題になっています。円相場は2012年11月から2013年4月までに25%も下落しました。当社では円建てで仕事をしておりますので、お客様から円で頂いたお金が、タイのバーツに両替すると恐ろしいほど目減りしています。

例えば20万円の売上げは、昨年11月には8万バーツに両替できたのですが、現在では6万バーツへと減ってしまい、損益計算に危機的な狂いが生じています。この目減りを補うには3つの方法が考えられます。一つは円建て価格を25%引き上げること。当社でも円建て価格を10%ほど上げましたが、ここで踏ん張る覚悟です。これ以上の引き上げは、中国やインドの超安い翻訳会社と競争をしております当社にとっては出来ません。むしろ、中国やインドの会社は円建て価格を上げてくるでしょうから、新興の当社にとってはお客様獲得のチャンスです。


翻訳報酬はあまり減らせない

円安はどこまで進む円安による目減りを補う2つ目の方法は、翻訳者への報酬を減らすことです。これも若干は実施しています。翻訳者に円安のデメリットを説明して、安めにお願いしていますが、あまり下げすぎると相手されなくなってしまいますので、せいぜい10%くらいです。

それでは3つめの方法は何か。それは仕事の量を増やすことです。円安によって日本企業には輸出増大への期待があるはずです。特に東南アジア市場は最重要ターゲットのはずですから、製品マニュアルやプロモーションの東南アジア言語への翻訳需要が増るのではないでしょうか。また円安は外国人観光客や留学生の誘致に有利ですから、これまで遅れていたパンフレットやWebサイトの東南アジア言語への翻訳も増えるでしょう。円安によって売上げが25%も目減りしている当社にとって、嘆いてばかりでは生き残れません。円安をいかにしてメリットにしていくか、是非、日本の翻訳会社の方々と協力して事業拡大のチャンスに変えて行きたいと考えております。

2013年4月


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