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タイ語翻訳者のヒット率は1% ---アジア翻訳ジャーナル11

フリーランス翻訳者は大切なリソース


タイ人の翻訳者翻訳会社にとってフリーランスの翻訳者は仕事を続けるためのリソースであり、優秀な人材を確保できるかどうかがサービスの質と料金を左右します。

それでは優秀なフリーランスの翻訳者とはどういう人たちでしょうか。それは第一に翻訳が確かであることです。例えば日本語からタイ語への翻訳であれば、日本語を正確に読解でき、それを適切でスムーズなタイ語に翻訳できることです。その際には訳抜けや誤字脱字といったうっかりミスがあってはいけません。

フリーランスの翻訳者が優秀かどうかは、翻訳能力だけでは決まりません。翻訳能力と両輪を成すのがレスポンスです。このレスポンスには、翻訳依頼に対して即答して出来るだけ引き受けることと、納期を厳守することがあります。

翻訳能力とレスポンスが伴うことによって、翻訳者は優秀と評価できます。当社では翻訳者の翻訳力とレスポンスを考慮して、仕事を割り振ります。当社においても全てのフリーランスが完璧という訳ではありません。特に翻訳は良くてもレスポンスの遅い人がいます。それはルーズというのではなく、普段の仕事で忙しいため時間がかかる場合が多いようです。当社では、案件の難易度と納期を見て、そういう翻訳者も活用しながら仕事を進めています。


応募者は多数、しかし…


このような事情から、フリーランスの翻訳者を募集しますと、1ヶ月の募集期間で数十人が応募してきます。各自の履歴書を見るだけでも大変ですが、その人たちは大学で日本語だけではなく、日本文化や社会、そしてビジネス習慣を学んだ人たちです。また、大半が日本企業で働いている人たちです。

タイは人口の割に大学で日本語を本格的に学習した人が多く、そういう人たちはやはり日本語を使う仕事を探しています。会社や政府機関に勤めていても、帰宅後や週末にフリーランスとして働いて副収入を得たい人も多く、当社のフリーランスもほとんどが兼業者です。

ところが、その中で優秀と評価できる翻訳者は一握りといいますか、ひとつまみしかいません。仮に100人の応募があれば、まず翻訳レベルが仕事として達していない人が90人です。そして残りの10人のうち、レスポンスが遅い人が9人となります。中には立派な経歴に期待して仕事依頼をしたのに返事一つなく、いったい何のために応募してきたのか分からない人もいます。

応募者のうち100人に1人くらい、すなわち1%が優秀なのですが、そういう優秀な人は普段から仕事で忙しく、 フリーランスとしての仕事が長続きしなかったりします。優秀な翻訳者が突然、人が変わったように崩れることがあるのです。

タイでは時間感覚が日本とは大きく異なり、日系企業でも時間管理がマネジメントにおける最大課題の一つです。日本企業という組織から離れたときもそれまでと同じように自分に厳しくできる人でなければ、フリーランス翻訳者として日本人のニーズに応えることはできません。

会社ではしっかりしたタイ人でも、会社の外では往々にしてのんびりとしています。それが普通なのです。しかし、のんびり感覚では翻訳者の仕事は務まりません。

こういったことはなぜか、経験的にみて東南アジアの言語の中でもタイ語翻訳者に多いようです。その理由はわかりません。ただ、タイでは翻訳力とレスポンスの両方を満たす優秀な翻訳者を集めるのは難しいのです。当社では優秀な翻訳者と出合ったときは大切にして、一人一人リソースを増やして行くことに心がけています。



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